消費税の中間申告:回数の判定・納付額の計算と期限の数え方

消費税の中間申告:回数の判定・納付額の計算と期限の数え方

この記事のポイント

  • 回数は直前の課税期間の確定消費税額(地方消費税を除く)で決まり、48万円以下なら原則不要、超えると年1回・3回・11回
  • 納付額は前年実績の6/12・3/12・1/12に、その78分の22の地方消費税を加えた額。仮決算で計算する方法も選べる
  • 期限は各中間期間の末日の翌日から2か月以内。土日祝のほか12月29日〜31日・1月2日・3日も休日明けまで延びる

前期の消費税(国税部分)が48万円を超えたら、今期は消費税の前払いが始まります。前期の年税額が大きいほど回数が増えます。

迷いやすいのは期限の数え方と仮決算の扱いです。国税庁の案内(2026年10月時点)をもとに、3月決算の会社の日付で確認します。

自社の回数・金額・期限は消費税中間申告額・納付期限シミュレーターでも出せます。計算結果は目安なので、申告書の金額を優先してください。

中間申告の回数は前期の確定消費税額で決まる

判定に使うのは、直前の課税期間の確定消費税額です。地方消費税を含まない国税部分だけの年税額で判定します。

直前の課税期間の確定消費税額
(地方消費税を除く)
中間申告の回数1回あたりの中間納付額(国税)
48万円以下原則不要
(任意の中間申告は可)
任意で行う場合は6/12
48万円超〜400万円以下年1回確定消費税額×6/12
400万円超〜4,800万円以下年3回確定消費税額×3/12
4,800万円超年11回確定消費税額×1/12

上表は直前の課税期間が12か月の場合です。12か月に満たない場合は計算方法が異なります。

基準は「各中間申告の対象期間の末日までに確定した」前期の税額です。3月決算なら、5月末に申告した前期の税額が4〜6月分から使われます。

48万円以下でも選べる「任意の中間申告」

前期の確定消費税額が48万円以下の事業者も、「任意の中間申告書を提出する旨の届出書」を税務署に出せば、年1回(6か月分)の中間申告・納付ができます。

ただし、期限までに申告書を出さないと、取りやめの届出書を出したものとみなされます。義務がある事業者と違って申告があったものとはみなされず、その回の中間納付はできなくなります。

前年実績による納付額の計算例

中間納付では、国税の中間納付額に加えて、その78分の22の地方消費税をあわせて納めます。

たとえば、前期の確定消費税額(国税)が780万円の会社は、400万円超〜4,800万円以下なので年3回です。1回あたりの金額は次のとおりです。

国税7,800,000円×3/12
=1,950,000円
地方消費税1,950,000円×22/78
=550,000円
1回の納付額2,500,000円
(年3回で7,500,000円)

他の区分も同じ考え方です(単位:円、1回の納付額のかっこ内は国税分)。

前期の確定消費税額(国税)回数1回の納付額
400,000不要-
1,560,000年1回1,000,000
(780,000)
7,800,000年3回2,500,000
(1,950,000)
56,160,000年11回6,000,000
(4,680,000)

前期の税額が割り切れないと端数が出ます。シミュレーターは国税・地方消費税とも100円未満を切り捨てて表示します。最終的には中間申告書の金額と照らし合わせてください。

仮決算による方法との比較

前年実績の代わりに、中間申告の対象期間について仮決算を行い、実際の売上・仕入れから計算した税額で申告・納付することもできます。

比較項目前年実績による方法仮決算による方法
計算前期の税額×6/12等。税務署から届く申告書に記載された額を使える対象期間の売上・仕入れを締めて税額を計算する
添付書類不要資産の譲渡等の対価の額・課税仕入れ等の税額の明細などが必要
税額がマイナスになったとき-還付は受けられず、中間納付額は0円
期限を過ぎたとき仮決算による申告はできず、前年実績の税額で申告したものとみなされる
簡易課税の事業者-簡易課税で計算する

仮決算が有利になりやすいのは、売上が前期より大きく落ちた場合や、設備投資で仕入税額控除が多い場合です。

年3回の例で4〜6月の仮決算による国税が1,170,000円なら、地方消費税330,000円とあわせて1,500,000円となり、前年実績より1,000,000円少なくなります。

年税額が減るわけではない

中間納付額は確定申告で差し引かれ、引ききれない分は還付されます。仮決算で変わるのは納める時期で、年間の税額そのものは変わりません。

また、各回ごとに前年実績か仮決算かを選べますが、仮決算の税額が小さくても中間申告書の提出自体は必要です。

期限の数え方と休日・年末年始の扱い

中間申告書の提出と納付の期限は、各中間申告の対象期間の末日の翌日から2か月以内です。4〜6月分なら、7月1日から2か月以内の8月31日になります。

期限が土日・祝日・休日に当たる場合は、その翌日が期限です。国税通則法施行令により12月29日〜31日も同じ扱いで、国税庁の通達では1月2日・3日も「一般の休日」とされています。延びる日が続けば、その明けの日が期限です。

たとえば3月決算で年11回の会社は、10月分の期限が12月31日です。2026年10月分は、12月31日(木)から1月3日まで延びる日が続くため、2027年1月4日(月)が期限になります。

なお、年11回の法人(確定申告の期限延長特例を受けていない場合)は、期首から1か月分の期限だけ「期首から2か月を経過した日から2か月以内」となり、2か月目の分と同じ日になります。それぞれ別に申告書を出します。

3月決算・年3回の会社の年間スケジュール

2026年4月〜2027年3月期、前期の確定消費税額(国税)780万円の例です。

  1. 2026年6月1日(月)前期の確定申告・納付の期限(5月31日が日曜日のため)ここで確定した税額が今期の判定に使われる
  2. 2026年8月31日(月)第1回中間申告・納付(4〜6月分)2,500,000円前年実績か仮決算かを決めておく
  3. 2026年11月30日(月)第2回中間申告・納付(7〜9月分)2,500,000円
  4. 2027年3月1日(月)第3回中間申告・納付(10〜12月分)2,500,000円2月28日が日曜日のため翌日に延びる
  5. 2027年5月31日(月)今期の確定申告・納付中間納付額の合計7,500,000円を差し引く

この日付は資金繰り表にも入れておきます(年間の流れは「経理の年間スケジュール」)。

税務署から届く申告書の扱い

中間申告が必要な事業者には、税務署から消費税の中間申告書と納付書が届きます。前年実績なら、記載された金額で提出・納付します。

ただし、e-Taxによる申告書の提出が義務化されている法人には送付されません。e-Taxで申告・納付します。

また、前期をe-Taxで申告した法人には、法人税の予定申告分の納付書が届かないことがあります。消費税の書類だけ届いて法人税を納め忘れないよう注意します。

納付書の合計額を国税と地方消費税に分けて記帳したいときは、中間納税額を国税・地方税に分解するツールで内訳を出せます。

納付を忘れたときの延滞税

中間申告が義務の事業者が期限までに申告書を出さなかった場合は、前年実績の税額で申告があったものとみなされ、その額が直ちに確定します。申告書を出し忘れても納付義務は消えません。

納付が遅れると、法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて延滞税がかかります。2026年中の割合は次のとおりです。

期間延滞税の割合(2026年中)
納期限の翌日から2か月を経過する日まで年2.8%
上記を過ぎた日以後年9.1%

2,500,000円の納付が30日遅れると、2,500,000円×2.8%×30÷365で約5,750円です(端数処理前の概算)。割合は毎年見直されます。

回数の判定と仮決算で取り違えやすい点

地方消費税を含めた合計額で回数を判定する

本来は年1回なのに年3回と思い込むなど、資金計画がずれる

前期の確定申告書から、地方消費税を除いた国税の年税額を拾って判定する

仮決算で税額がマイナスなら還付されると考える

還付は受けられず、中間納付額は0円になる

還付が生じるのは確定申告の段階と理解しておく

仮決算の申告書を期限後に出そうとする

前年実績の税額が確定し、仮決算の額では申告できない

仮決算にするなら、対象期間の月次決算を早めに締めて期限内に提出する(月次決算チェックリスト)

2027年4月以降の特例に注意

国税庁の消費税率引下げ特設サイトでは、2027年(令和9年)4月1日から2029年(令和11年)3月31日までの2年間、飲食料品の譲渡の税率を引き下げ、あわせて中間申告の計算方法の特例を設ける改正案が案内されています。内容は法案が可決・成立した場合のものとされています(2026年10月時点)。対象期間にかかる中間申告は、国税庁の最新の案内を確認してください。

参考資料(2026年10月22日確認。国税庁等の公表資料をもとに当サイトが要約・編集して作成しています)

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、税務・法務等の個別の助言ではありません。具体的な判断は税理士等の専門家にご相談ください。